松山市立中央図書館より。
生まれ変わったなら、また、ここで会いましょう。
そう言って、あの子は家を出て行った。
いつでもやり直せる。もう一度、
そうやって、幾許かの年月が経っている。
あの子は私の手を取って言った。
今なら変われる、さあ、自由は寂しいけれど意味がある。
人生に意味がないなんて、大嘘つきの戯言。だから、ほら、温かい飲み物を飲んで元気を付けて。
年月に愛想を尽かせて、あの子は出て行った。
生まれ変わったなら。
もう夜に深く浸るのはやめよう。哀しいブルーズもほどほどに。
そうして、また、時が経って行く。深く眠ると、昔の類友からポストに便りが届く。
「どんな風に?」と書かれたハガキ。
分かりやすいのがいいな。そう呟いて、人肌のこの温度に溺れ行く。
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