こんなことしか。

街を抜けた小さな道にT字路があって私はその角で水筒に入れたコーヒーを飲んでいた。2匹の猫がいて、おぼつかないが友達になることができた。

1匹の名はまた八という。私はその気持ちを汲むことにした。

また八はタイムリープを経験していて、昭和60年にそれが起きている。
武智さんの家でお世話になっていて、せいくん、と一緒によくTVを観ていた。アニメとかウルトラセブンとか、スケバン刑事とかも。お母さんと再放送のドラマとかも観ている。
あの頃の人は情熱的で、でもそれをひたかくしにしていることが、男の人はかっこいい、とされているのだと思う、とまた八は言う。
それがタイムリープの手前、2,3年頃では傷つきやすくてせんさいで、それを見せたくなくてちいさな部屋で苦しんで泣くせいねんがみりょくてきな男として描かれていた、とまた八は言う。

ふんふん。
たいむりーぷ。

また八の言うことはわかった。

次に黒みがかったサビ猫のジャック・ムック・シャドーアイランドの話しを汲んでみよう。

ジャックは平成20年の産まれ。
理知的で哲学的なジャックは人間にとってモテルとは何か、魅力的な男の人とはについて、タイムリープをしてきたまた八に問われたため、興味を持ち、調べ考えたため、精神を1度崩壊している。
それだけ平成の時代は複雑でまた、様々な情報が行き来して乱雑である、とジャックは言う。
夜はハルちゃんの家でいつも泊らせてもらっていて、インターネッツというパソコンを使った画像をハルちゃんはよく観ていて、それはジャックにとって時間の線が入り乱れていて考えていると自分の複雑なもようとリンクしてきて、もようと時間がドッキングして産まれてまもない頃に観たアニメのドッキングちゃんともドッキングして、ついにドッキングしたのち、ばらばらにジャックは崩壊した、と言う。
ジャックは考えることをやめた、と言う。
ただ、ジャックが崩壊する直前にインターネッツから聞こえてきた、「ー愛する者とー」という人の声が忘れられない、という。
なぜか分からないが、印象的だった、と。

私は熱いコーヒーを飲み干して、どこか別次元にあるジャックの話を聞いていた。そして、ただ、どこか私に触れてくる、それはもしかしたら、昔から少しずつ心に与えられていたそれに似たような、そんなもののような気がしていた。

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