夢の中のひと時~人のことを考えて。でも、自分を大切に。
色んな考えが、色んな人がいて考えているように、現れてそこに自分もいる。あまりに、その色んな考えを聞いているとどれが自分の考えか分らなくなる。
残業が終わって自宅に帰ると、夜の十一時を廻っている。どうしても一缶ビールが飲みたくて普通サイズのビールの蓋を開け口にする。仕事が遅いとよく言われる。一つの書類に向かっていたら、色んな考えが意識に浮かんで集中して一つの書類の流れに乗るのが難しい。そして、それはとても疲れる作業だ。
ビールを飲み終わって頑張って、シャワーを浴びる。そして、一粒薬を飲んで眠る。朝、とても疲れていて起きる。寒い日だ。24日、クリスマス・イヴ。
最近よくあるように、遅刻して怒られて、ついには「レッドカードだ」と言われる。どうするか、上の者で相談しておく、と。生きていてつまらない、と思う。デスクに座って、皆黙々と仕事をしている。今日はクリスマス・イヴ何だけど、と思って、毎年クリスマスのことが職場で話題になること何てない。なぜか、特に今日仕事場が静かだと感じる。じいちゃんの家を思い出して、クリスマスを祝っていたことに縋りながら仕事を始める。
事務の人から今日もペナルティとして、仕事をしてから帰るように言われる。事務の女の人は嬉しそうな表情でなぜだろう、と思うと机にケーキの箱が置いてある。事務の人たちで食べるんだろうな、いいな、と思いながらどこかで仮眠がしたい、と思う。仕事をしながら、いつものように色んな考えが現れて、とても疲れて行く。
夜になって誰もいない中で、色々な考えから色々な思い出に変わっていて、ふと、終わらせよう、と思った。中心にその考えがあって。
僕は眠っていた。
カリカリ、カリカリ。
音がして、小さな音だけれど僕はその音に気付いて目が覚めた。どこから音がするのだろうか、耳を澄ます。椅子から立ち上がって歩き廻る。
にゃー、と聞こえた。
にゃー、と聞こえた。
窓だ、と気付いた。
窓の方からだ、確かだ。静かに窓に近づく。音は止んで、小さな黒い影が見える。
「君の足元を見てごらん。」と聞こえた。
僕は自分の足元を見た。僕の両足は右側に向いていて、温もりがあった。命の方角だ、と感じた。「生きろ」と言っている。
「メリークリスマス。」
自分の腕時計を見ると、深夜の零時を過ぎていた。25日、クリスマスだ。
「しゃーないやつ。」
と言っているのが聞こえた。目が覚めて周りを見ると眩しくて、人がいる。朝だ、僕は朝まで眠っていた。
「暖房つけっぱなしだったぞ。」
仕事仲間が笑っている。皆の表情を見るとなぜか嬉しそうだ。
「ちょっと来い。」
と主任が言う。
呼ばれた部屋には主任の他に二人いて、二人が誰か分らず戸惑った。僕の表情を悟ったのか、一人の人が、
「僕のこと知っている?」
と、にやっと笑った。
「噂通り、顔色悪いね。」
また笑う。
「すみません。」
「暖房つけっぱなしだったぞ。」
仕事仲間が笑っている。皆の表情を見るとなぜか嬉しそうだ。
「ちょっと来い。」
と主任が言う。
呼ばれた部屋には主任の他に二人いて、二人が誰か分らず戸惑った。僕の表情を悟ったのか、一人の人が、
「僕のこと知っている?」
と、にやっと笑った。
「噂通り、顔色悪いね。」
また笑う。
「すみません。」
と主任が言う。そして、
「本部長の顔くらい憶えておけ。」
そう聞こえた後、僕の頭はまっ白になっていた。
「本部長の顔くらい憶えておけ。」
そう聞こえた後、僕の頭はまっ白になっていた。
僕が明らかにやつれていたこと。
隣のデスクの高崎さんが心配していたこと。
そして、僕が時々ぶつぶつ言ってメモ帳に何かを書いていたのを見ていたこと。
皆が心配して、そのメモ帳を見ると企画宣伝の批判が書かれていて、
さらに、その企画についてのアイデアが書かれていたこと。
色々な方角から、アイデアが生まれていてメモを辿って行くと、一つの考えにまとまっていて、読んでいるととても疲れたけれど、
企画部がそれを採用したら、その年のプロジェクトアワードに優秀賞として表彰されていたこと。
メモ帳に書かれていた、新商品の欠点を改めて作り直して、メモ帳に書かれていた通りに宣伝して売り出すと、すごい売れ行きになったこと。
隣のデスクの高崎さんが心配していたこと。
そして、僕が時々ぶつぶつ言ってメモ帳に何かを書いていたのを見ていたこと。
皆が心配して、そのメモ帳を見ると企画宣伝の批判が書かれていて、
さらに、その企画についてのアイデアが書かれていたこと。
色々な方角から、アイデアが生まれていてメモを辿って行くと、一つの考えにまとまっていて、読んでいるととても疲れたけれど、
企画部がそれを採用したら、その年のプロジェクトアワードに優秀賞として表彰されていたこと。
メモ帳に書かれていた、新商品の欠点を改めて作り直して、メモ帳に書かれていた通りに宣伝して売り出すと、すごい売れ行きになったこと。
まだある。
いつからか、僕が苦しんでいた間に起こっていたことだ。
僕は眠っていた。
左手に猫がじゃれていて、手に少し傷が付いて。人参の皮を剥いていないカレーライスを右手でスプーンを持って食べている。
その日は雪が降っていて。
その日は雪が降っていて。
クリスマスだった。
メリークリスマス。
クリスマスおめでとうございます。
クリスマスおめでとうございます。
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