幸せの手紙
一人眠っている時に、炎が私を包んだ。夢を見て、私は炎を与えられて燃えていた。慈愛だと分かった。慈愛が私を包んでいた。愛している、と言っていた。深い暗闇のどこか向こうでそう言っていた。
ニュースを観ていた。酷い災害があって、青いビニールシートが張り巡らされていた。そこでカメラは一人の女性の声を捉えていた。
「お母さぁん。」と、叫んでいた。
愛している、と伝えたかった。
女性は、お母さんを見上げていた。お母さんは友達と、楽しそうに話していた。そして、女性に手を振っていた。
(お母さんは灰と骨になっていた。伝えたかった、ありがとうと。私は成人になって結婚して、あなたにもらった愛を受けて生きている。)
焼き尽くされていた。塵になって塵あくたになって。
愛している。
その身体、あの柔らかかった手。その手を振って、魂が行く。
愛していると告げていた。
ペンの握り方を教えた。ペンを握ることができると、文字を書いて人に伝えることができる、と私が言うと黙って頷いていた。私は私の子を愛していた。
ぼっとすると、ペンの握り方がどうだったか忘れることがある。私もまた、父親にペンの握り方を教えてもらっていた。父親が私に愛している、と言ったことはない。そういうものだ。
大人になるにつれて、痛みを知る。愛しているという言葉があまりにも強く本質的で、誰しも使うことにためらいがあるはずだ。しかし、伝えたい時がある。愛していると最後には。
大人になるにつれて、痛みを知る。愛しているという言葉があまりにも強く本質的で、誰しも使うことにためらいがあるはずだ。しかし、伝えたい時がある。愛していると最後には。
深い意識の底のどこかが言っている。愛している。
愛している、という感覚。心の中心に響き震えるその言葉の形(かたち)。
この子が、それを思い出させてくれた。深い慈愛が存在していることを。
この子が、それを思い出させてくれた。深い慈愛が存在していることを。
画像の向こうで、母親が離れ離れになっていた子供たちを抱き締めて、言っていた。
愛している、と。
痛みが沢山ある世に、愛している。
そう、私には聞こえた。
<作者あとがき>
原文からパソコンに打つ時に、人称が分かりづらいというか、違和感を感じて少し直しました。昔、大阪文学学校に通信で受講していた時に、人称のことが分かりづらいことを指摘されて意識するようになりました。そのあと、いつぐらいだったか年月が経って、人称がどんどん変わって成立する作品の存在があることを知りました。確か、ちゃんと読んでいないのでどのような作品内容かは分からないのですが、そういうテクニカルと言っていいのか、色んなことがあるんだよなー、と思いましたね。絶対こうじゃなければ、いけないということはないのだな、と。技術があれば。人称のことは今でも苦手です。今まであんまり、頭を使って書いてなかったのですよね、たぶん。少なくとも人称のこと。一人称でいいや、と思っていたのかな。感情を優先している意識が6割くらいあって、もし長い小説を書く時があるなら、何かアイデアを組み込んで書いてみたいです。慣れていないのですが。その中に、感情を乗せる。今日書いた、小説をけなされたら、どんな気持ちになるか。がーん、程度だったらよいですが。同じような失敗をします。夕飯は冷麺です。まだ、食べていません。お酒も少し飲みます。時間を置いてお薬を飲んで寝ます。その前に皿洗いがあるので、気合を入れて音楽を聴きながら。
急に思い返したのですが、文章が良くなってきたのって、この無職の期間前半なのではと思いなおしました。少なくとも、形は整えることができるようになった。めくるめく事象を経験したことも影響しているのでは。
原文からパソコンに打つ時に、人称が分かりづらいというか、違和感を感じて少し直しました。昔、大阪文学学校に通信で受講していた時に、人称のことが分かりづらいことを指摘されて意識するようになりました。そのあと、いつぐらいだったか年月が経って、人称がどんどん変わって成立する作品の存在があることを知りました。確か、ちゃんと読んでいないのでどのような作品内容かは分からないのですが、そういうテクニカルと言っていいのか、色んなことがあるんだよなー、と思いましたね。絶対こうじゃなければ、いけないということはないのだな、と。技術があれば。人称のことは今でも苦手です。今まであんまり、頭を使って書いてなかったのですよね、たぶん。少なくとも人称のこと。一人称でいいや、と思っていたのかな。感情を優先している意識が6割くらいあって、もし長い小説を書く時があるなら、何かアイデアを組み込んで書いてみたいです。慣れていないのですが。その中に、感情を乗せる。今日書いた、小説をけなされたら、どんな気持ちになるか。がーん、程度だったらよいですが。同じような失敗をします。夕飯は冷麺です。まだ、食べていません。お酒も少し飲みます。時間を置いてお薬を飲んで寝ます。その前に皿洗いがあるので、気合を入れて音楽を聴きながら。
急に思い返したのですが、文章が良くなってきたのって、この無職の期間前半なのではと思いなおしました。少なくとも、形は整えることができるようになった。めくるめく事象を経験したことも影響しているのでは。



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