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うわあ、明日から令和なのか。

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日常に死にたい、と思うことは大人には思ったよりあると知ることにした。 そんなことを蓄えている昔の大人の思いと、人との思い出で、 生きていたりする。少なくとも。希望もある。 旋律は気持ちを温める。そうやって、だいたい。 人が沢山いる。 いつの間にか、そうやって。 お笑い番組で久しぶりに笑っていると、いつものそんなことは大丈夫か、と冷静なようにぎくりとする。 美しさが上等の蜂蜜みたいで、たまに口にしたくて、定めは合っているか。 本当のところ、とか、大切とは、とかどういうことなのか、知りたいものだ。

雨の模様

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降り続いた雨は味が変わっている。ずっと時間を経て変わっている。 人が沢山いて変わって、 それだけいて、すごく沢山。 間違いがあったり、それは憎しみを生んだり、 そんなつもりなかった、と言っても もう、雨はずっと降っていて、上を見て 口を開けると、確かに昔ではない。 そんなことを経験して、同じことで間違って、 雨の日に自分も変わっている。 それって、一体どういうことなのだろうか。 いつか神様は知らせてくれて、ほほ笑む時なら、と思う。 雨にまみれて靴を汚して帰る家。すぐに風呂に入れという母。黄色い傘。 今は小さい子はかえるの目がぴこっと出ている傘とか差していて、うらやましい、と思うが、もう私には遅い。 子供をよく楽しんで、大人はとっくに始まっていて、もう大人か。一人でいるとそれを感じる。やっと、今だからそれを感じる。 足りないことが多い。 知っていた私という人を受け止めて、気を付けて、 大人になりたい。よく見えない、ぼやけたその大人に憧れる。

ペルソナⅤ

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 「雨」が苦しんでいる。自分を傷付けて。私は「雨」がいないと駄目になる。私にはまだあの血の匂いがこびり付いている。「雨」が必要だ。だが、これ以上続けさせると「雨」の傷が深くなって行く。「雨」の純粋な精神からもたらされた血の匂いが、あの響きがいつも私を高みに引き上げてくれる。しかし、「雨」を失うことになるかも知れない。何より「雨」が苦しむのを放っておきたくない。私は「雨」という存在を愛している。私は「雨」と心が繋がっていて、だから苦しめたくない。苦しみは嫌だ。彼がこのまま苦しんで行くのを見たくない。  (もういいんじゃないかな)と私の心の下が言った。  (忘れていないだろう)とまた私の心の下が言う。  (どっちが好きかい)とまた言う。     「雨」がもたらす全ての感覚。自分の手を血で汚して、温もりに触れる全て。どっちに対してもイコールだ。  (本当かな、本当はどう思っていたんだっけ)  結局、同じだと知ったのだ。だから、私は仮面を持っていて、美しく生きられると、そうしてこうやって生きている。  (美しいはイコールかな、いや、ニアリーイコールだと感じないか。どっちの方があの味が深かったっけ。どっちが自分を放っていられる? お前は叫んでいた方が、美しさを纏える。そうじゃないか)  私がこの世界に溶ける。温もりで叫んで、溶けることができる。いや、違う。同じだと思うことが出来たのだ。  (どう思っていたっけ。「雨」のことはどうでも良い。どう思っていた?)  本当は殺したい。私が殺したい。全てを塗り変えたい。あんなことを消して行って、変えてしまいたい。  違う。本当はそれよりも、あの血が唸っている様な時を感じたい。特別な時間、世界が特別で私自身も特別でいられる。現実何て知ったことじゃない。  (もう、決まったね)  雨が降っていた。丁度その時間、柔らかに雨が降っていた。私は上を見上げた。疑いや、哀しみ、伝えたい音が降っている様な気がして、スーツを着ていたが、傘を下ろした。雨は私に当たって、血の温度が上がった様な気がして、鼻の奥に血の匂いを感じた。今日は哀しい。哀しみよ、もっと降れ。  春から連絡があった。獲物は人を求めている。疑いに駆られてほとんどを信用していないが、どうやら人を求めている様だ。もうすぐ雨の日が...

ペルソナⅣ

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 私は深夜のマクドナルドで、小説の構想を立てていた。大学時代、ゼミの先生に文章を褒められて以来、物を書く人に憧れて、小説家を目指す様になっていた。就職をして仕事を始めてから、変わらず大変なこともあるのだが、小説を書く時間は確保出来る様になっている。今回で何作目になるか忘れたが、心の仮面を持つ人間の話にしたいと思っている。  私は私の血のあの匂いが染みて、鼻の奥にあるかの様に。人が流した血でそれを全て洗いたい。もう、あんなのは見たくない。ここにいるとそれがなくて、そうしていられる。ただ、あの鼻の奥の血が纏わりつく。人が流した本物の血の匂いで、温かい香りでそんな物全て変えられる。私には「雨」が必要だ。私の奥のあんなのをいつも流してくれる。  全て殺して、どうか殺してくれ。私は楽になれる。殺してくれたら楽になれる。  雨が降っている。獲物は常に存在していて、複数に重なっていることが多い。今日は「雨」は現れるだろうか。春からの連絡はない。魚は自由に泳いでいる様だ。  夜になっても「雨」は現れなかった。暫く、雨が続くらしい。私は喜びで眠ることが出来なかったが、その内仮面をイメージして心を覆うと穏やかに眠ることが出来る様になっていた。  雨の中、魚は泳いでその内血を流す。一度血を流したら、匂いを嗅ぎつけられて全て失うだろう。それは春の仕事だ。全てが変えられる。全てを変えてくれる。ざまあない。  雨がその内止んで、気象予報より早くに晴れた。カーテンを開けて朝陽を浴びて、何て気持ちが良いんだろう。私は小説で予想を裏切る思考が苦手だが、一度そんなのを書いてみたい、とぶつぶつ考えが浮かんでコーヒーを淹れる準備をした。  雨が降っていて、血の匂いが立ち上っていた。私は喜んで「雨」を迎え入れた。 「よく来てくれたね。ここで休みなさい。さあ、またスープを作っている。ゆっくり飲むと良い」  「雨」は震えていた。私は欲情した様に全身に血の熱さを感じて、その姿を見ていた。 (どんな風に殺した。よく血の匂いを運んでくれたね。相手の表情が知りたい)  私は強く「雨」の腕を握って、ソファへと導いた。まるで女性を導く様な気持ちだった。初めて殺した時。 「雨」は、 「痛い」 と言った。私ははっとして謝ろうと思ったが、腕を握った感触に違和感があることに気付い...

ペルソナⅢ

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雨が降らない。暦で一週間に満たない程のことだと分かってはいるのだが、神経質になっている自分のことに気付いていた。何をしても落ち着きはなく、コーヒーの香りもそれがしない。アルコールはやめていて、それは私の心にある仮面のおかげだ。アルコールの快楽などもういらなかった。今は冷静にしていても快楽はやってくる。なにより、そうだ、「雨」から香る血の匂いがいつも私をその域に立ち上らせてくれる。美しさを伴う領域。「雨」は私にそれを教えてくれた。私はもう泣かなくて良い。  二週が過ぎて、春から知らせが届いた。もう、十分獲物は疲弊している。どんなことになっても、不思議はないだろう、と。  雨が降らない。雨の音が聴きたい。  私は晴れの予報が続いていたので、安心していつでも洗濯物が出来ると思っていた。そして、今日にでも洗濯物を片付けよう、と思っていた。会社のパソコンを使っていると気象レーダーの雲が変化しているのをふと見て、あーあ、とうな垂れた。今日の夜には雨が降るのだろう。  雨が降って、血の匂いがして、そうして騒いでいた。「雨」の眼がますます虚ろに、そして切れて長く、それは私を喜ばせた。 「雨、ありがとう。ゆっくり休みなさい。こちらにおいで、抱き締めさせて欲しい」  私は「雨」の肩に手を掛けて、「雨」を抱き締めた。窓に雨の打つ音が聴こえていて、「雨」は震えていた。 「雨、身体が冷えている。温かいスープがある、コンソメのスープは飲めるね。持ってくる。飲みなさい」  スープを器に注いでいると、スープから血の匂いがする様で、私も震えていた。その美しい感情に、この教えて貰った気持ちの受け止め方に感じていた。  スープを飲んで「雨」は眠った。  もっとだ、もっと欲しい。私とは違う意思、いや仮面の下の私という過去が求めていた。 「雨、本当は眠っていないね。教えてくれないか。どうやって、獲物を締めた。そんな時はどんな気持ちになる? 私は欲しい。お前の気持ちが。いや、本当は私の気持ちが欲しい。お前が羨ましい」 (あいつは人を苦しめたのだろう)  冷静に生きている気持ちとの言葉の裏腹さは、確実に溢れて染めていた。「雨」は震えていた。私はもっと語り掛けていた。止められない。血の匂いは「雨」がいる限り消えなかった。あの鼻の奥の血の匂いが消えない限り、ずっと私はこの血...

ペルソナⅡ

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なるべく、相手が最後までこの世を思える様に殺しなさい。私はいつも「雨」にそう伝えている。「雨」に染みた血の匂いはいつも違う香りがする。年齢、性別、その時の体内の水分量、そんなことが関係しているのだろうか。「雨」はよく哀しむ。私も喜びより、哀しみを好む。  「雨」は雨の日にだけ、現れる。だから、余計に血が蒸せて香る。私達は潜在的にそれを好んでいる。そうなのだと思う。それは美しいからかもしれない。雨と血の匂いが混じって、結局やめてはいけない。  インフルエンサーの影響力。どちらかと言えば、裏の顔。春、という世界での名前。重要な情報を持っていて、信頼の出来る仲間とそれを共有している。投資、株価変動、仲間同士のアンテナを張っていて、すぐにそのビジネスチャンスを掴む。  その仲間とまたその下に情報を共有する仲間達。女王蜂、と私は呼んでいる。仲間の下にいるその仲間達が地に足の着いた情報を持って来る。様々な写真をくれるという。げすい奴らだというのがよく分かる、と春は言う。そんな彼らに春は何度も助けられている。影響力のある会社の情報をリークして行く。げすい奴らの仕事。株価は変動して下がり、そして、また元の値近くに上昇する。その差を得て春は利益を取る。  仕事の時は写真を共有して相手を心理的に追い詰める。黒い眼の仮面が幾つも現れる。最後は「雨」の仕事になる。  あの仮面の老人を見てから不思議と何処か惹かれていて、その下にある無表情だった老人の顔が、その訴えに何故か興奮していた。視線と潜んだ危険性。明らかに私へ向けての物だった。私はまだ何かがある、と思って生きて良い様な気がした。浮遊する特別感。あることを知らせてくれた、と思っていた。  もうすでに、雨は降っていて私は血の匂いにまた、自分を取り戻していた。叫び声を上げて泣いていた。雨の音が囁きの様に、私を打っていた。 「大丈夫、その人は私達に必要がない。ペルソナ、今日からはもうそんなことをしなくて良い。それがなくても、あなたはあなたでいられる」  ペルソナ、心の仮面の意味を持つ名前を与えられた私はその日から、知る様になった。温かく触った血よりももっと奥にある甘い響き。  私は上司の指示を仰ぎ、事の原因を説明して、ただ平謝りをしていた。冷たい眼で見られることには、少しは耐性が付いたが、そんな慣れる物でもな...

ペルソナⅠ

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高校三年生の夏休みが始める前の日、雨が降っていた。窓の外から土の蒸せた匂いがして、私は教師の話を聞いていた。右の向こうのクラスメートの席が暫く空席だったことを思っていて、休み時間その子と仲が良かった二人に尋ねた。 「あいつ、どうしたんだろう」  二人は顔を見合わせて、にやにや笑って何も言わなかった。  大体、理解して外ではまだ雨が降っていた。鼻の奥に血の匂いを感じて、少し味もした。  その内、大学に進んで社会人になり、それなりに給料を貰って生きて行くのだと思っていた。大学は合格して東京に。そして、わたしは眼の前にあった全ての現実を諦めていた。 ペルソナ、心の仮面という意味の名前を与えられて、私は世界の一人として生きている。今、私にはその資格があると知っている。  雨が降っていて、血の匂いが溢れる。報告を聞いて私は「雨」をソファに寝かせた。心の波が高くなるのを抑えて、それを整えて「雨」からの気配に気持ちを傾ける。  「雨」は冷静な様で怖がっていた。外の窓に雨が打つ音がしていて、それは思ったより安定していた。 「大丈夫、眠りなさい。あなたはあなたにしか出来ない役割を果たした。皆が出来ないことをあなたはしている。いつも感謝している。私たちの世界をまたあなたは救った。私の安寧もあなたのおかげで、与えられている。後は全て世界が整えてくれる。ゆっくり深く沈みなさい。雨の音を聞いて休むことが出来るから」  あの時、全ての時が止まった様な気がしていた。それをしていて、血が激しく巡ってとても熱かった。私は大声を上げて叫んでいた。匂いが立ち上って。  相手の言う通りにした。事前に言うべきことはメモをして憶えた。  全てが終わって、私はラーメン屋で礼を言った。にやにやして相手は自信に満ちた顔をしていた。いつも通りがその内、出来ると思っていた。  ベランダで洗濯物をしていると、外でスーツを着た老人が私を見ていた。老人は黒い眼の仮面を顔に乗せて、またそれをスーツの脇に仕舞った。その脇にガンホルダーの様な物が見えた、と思ったら何故か私はぼーっとしてしまって、気付いたら老人はいなかった。  自宅のドアの外から声が聞こえるようになって、全て私のしたことの噂の様だった。私はそれが本当に私のことを言っているか確かめるために何時もドアに近づいてそれを聞いて...